世界で一番好きな人
*
「梓…。ご飯、ちゃんと食べてるの?」
電話越しでもお母さんが心配してくれていることが痛いくらい伝わってきた。
「…食べてるよ。大丈夫、私のことは心配しないで」
もうずっと料理なんてしていなかった。とてもそんな気分になれなかったから。
惣菜やお弁当のゴミを数日ぶりにまとめていると、転がっていた手紙まで拾ってしまった。
千春になんでこんなことを言うんだと怒りたくても、もうその千春はいない。
…そういえば、私が千春に最後に怒ったのなんていつだろう?
怒るほど千春に本音をぶつけたことなんて、一度もなかったかもしれない。
いつも千春が言わないからって私も我慢して、本当に言いたいことは何度も何度も押し殺してきた。
元から本音を言うことが苦手だから。千春だって言わなかったから。
「梓…。ご飯、ちゃんと食べてるの?」
電話越しでもお母さんが心配してくれていることが痛いくらい伝わってきた。
「…食べてるよ。大丈夫、私のことは心配しないで」
もうずっと料理なんてしていなかった。とてもそんな気分になれなかったから。
惣菜やお弁当のゴミを数日ぶりにまとめていると、転がっていた手紙まで拾ってしまった。
千春になんでこんなことを言うんだと怒りたくても、もうその千春はいない。
…そういえば、私が千春に最後に怒ったのなんていつだろう?
怒るほど千春に本音をぶつけたことなんて、一度もなかったかもしれない。
いつも千春が言わないからって私も我慢して、本当に言いたいことは何度も何度も押し殺してきた。
元から本音を言うことが苦手だから。千春だって言わなかったから。