世界で一番好きな人
そんな言い訳ばかりして私はずっと本音を言うことから逃げていた。



「言わなきゃ伝わんないのにね…」



私たちはいつだって本音を隠してきた。


言わなくたって伝わると思っていたから。


気持ちがすれ違っていたのは、私のせいだ。



もっと、素直に自分の気持ちを伝えればよかった。


もっと、千春に好きだよって、幸せだよって伝えればよかった。



–––––梓へ。

あずさといた時間を俺は決して忘れません。

いっぱい幸せをあげたかった。でも、もう俺は一緒にいられないから。

しあわせになって。世界中の誰よりも。

てをつないで色々なところに行きたかったね。

るびーの指輪をあげる約束も、守れなくてごめんね。

ようやく俺はあずさを解放してあげられる。

あずさと付き合えて、俺はすごく幸せだったよ。

ずっとそばにいてくれてありがとう。

さいごに、どうか俺のことは忘れて生きてください。
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