世界で一番好きな人
「私も手伝おうか?どうせ雑用かなんかでしょ。千瑛くんに頼めるならいいけど…」


「いや、いいよ。千瑛にも頼まなくて大丈夫。じゃ、瑚子また明日ね」



心配そうな瑚子に無理矢理笑顔を作って手を振る。


担任の先生の用は幸い大したことはなく、プリントをホチキスで数十枚留めるだけで終わった。



教室に戻ろうと職員室を出たところで、見知った後ろ姿を見つけた。



「あ、村井先生ー!」


「あら、一条さん。こんにちは」



今日も綺麗な村井先生が、前が見えないくらいのダンボール箱を持って歩いていた。



「何してるんですか?」


「新しい消毒液とか絆創膏とか運んでたところよ」


「へぇ、重いでしょ。手伝いますよ」
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