世界で一番好きな人
「え、でも…いいの?」


「はい、どうせ待ってる人なんていないし暇なんで!」



今はとにかく違うことをして気を紛らわせていたかった。


村井先生と世間話をしながら保健室まで荷物を運ぶのを手伝い、お礼にと紅茶を出してもらった。



「これ、私が作ったものなんだけどもしよかったら。作りすぎちゃって配ってたのよね」



村井先生が渡してくれたのは、綺麗に包装された花形のクッキーだった。



「え、可愛い!いいんですか、食べちゃって!」


「ええ。どうぞ」


「…んー!おいしー!」



外はサクッと中はしっとりのクッキーは、口の中でバターの香りが広がってとても美味しかった。


美人で性格も良くて料理までできるなんて、みんなに人気な理由がわかる。
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