世界で一番好きな人
「二人で帰るの久しぶりだね。留学大変だった?」


「うんまあ、最初の二ヶ月くらいは。意思疎通が一番難しかったけど、なんとなくわかるようになってからは毎日楽しかったよ」


「やっぱ柊ちゃんはすごいなぁ」


「ははっ、そんなことないよ」



柊ちゃんは将来、海外の子ども達に勉強を教えることが夢らしい。


私は夢すらないから、既に明確な夢を持っている柊ちゃんを純粋に尊敬する。



「茉莉花」



もうすぐで家に着くところで、急に柊ちゃんが立ち止まった。



「…留学から帰ってきたら、茉莉花に言おうと思ってたことがあるんだ」


「え?」


「俺…」
< 42 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop