世界で一番好きな人
ぎゅうっと強く抱きしめられ、思わず笑ってしまった。



「…何笑ってんの」


「いや、意外と千瑛って嫉妬深いんだなあって」


「…別に嫉妬なんかしてねぇよ。あったまってんの」



千瑛の頭に手を伸ばし、わしゃわしゃと撫でてあげると「おい!」と怒られた。


千瑛が可愛くて、嫉妬してくれるほど私のことを好きでいてくれることが嬉しくて、触りたいと思った。



私にとって千瑛だけがいつも一番、誰よりもかっこよくて可愛くて愛おしいんだよ。





バイトも二週間も続ければだいぶ慣れてきた。


千瑛にバレない程度に週三回ほどバイトを入れているため、一ヶ月くらいでお金は十分溜まりそうだった。



「あ、一条さん」
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