世界で一番好きな人
鞄を肩にかけた千瑛が、私の机まで来てくれてきょとんと首を傾げた。



「えっと…あ、これ」



なんて切り出せばいいかわからず、ふと目についた鞄に入れていた千瑛へのプレゼントを渡す。



「え、これ、俺に…?」


「うん。一ヶ月の時とか私だけもらってたから、もう過ぎてるけど千瑛にも何かあげたくて」


「めっちゃ嬉しい、ありがとう!しかもピアス!欲しかったんだよ」



千瑛がぱっと笑顔になり、喜んでくれたことに安心する。



「バイトしてたのって、俺のためだったんだな」


「うん…って、なんでバイトのこと知ってるの!?」


「ははっ、バレバレだよ。あいつとバイト同じなことも知ってたから、もしかしてそれが理由で教えてくれないのかと思ってた」


「…そんなわけないじゃん。それに、柊ちゃんとは本当に何もないって言ったでしょ」
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