世界で一番好きな人
「いや、来るつもりなかったんだけど、茉莉花が変な勘違いしてるから連れてきた。あ、茉莉花、あれ俺の兄貴の千春(ちはる)。で、梓の恋人」


「あー噂の茉莉花ちゃん!初めまして」



千瑛のお兄さんの、千春さん…?



「梓は兄貴の彼女だから、高校に入る前から知ってるだけ。名前呼びなのは。今更先生とか言うのは恥ずいから。前に電話が来たのも、兄貴が痙攣起こして病院から呼ばれたから一緒に行っただけで、昨日も兄貴の見舞いに行くために一緒にいただけ。梓の恋人は兄貴だけだよ。C.Iのイニシャルも、“一ノ瀬千春”の“C.I”。他に聞きたいことは?」



一生懸命頭の中で情報を整理して、私が勘違いをしていただけだとやっとわかる。



「ないです…」


「はい、よろしい」


「ふっ、あはは!何、茉莉花ちゃんが梓と千瑛が付き合ってるって勘違いして、その誤解解くためにわざわざここまで来たの?」


「実際に兄貴と会わせた方が早いと思って。いずれ兄貴にも会わせようと思ってたし、ちょうどいいだろ」


「ごめんなさい…!勘違いして…」
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