世界で一番好きな人
「いや…!悪いのはこっちというか…」


「…茉莉花。帰るぞ」


「え?」



いきなり千瑛が私の腕を掴み踵を返した。



「…そういうのはせめて扉閉めてやれよ」



病室を出る直前に千春さん達の方は見ずに千瑛が言った。



「…ああ、ごめ」



千春さんの返事の途中で千瑛は荒々しく扉を閉め、エレベーターに向かった。



「ねえ、ちょっと千瑛!お見舞いは?いいの?」


「…俺らがいても邪魔だろ」
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