世界で一番好きな人
「そんなこと…あるかもだけど、ちょっとあれは態度悪くない?たしかに目の前で身内のキスシーン見るなんて気まずいかもだけど…」


「不快でしかないだろあんなの。病院だっていうのになんも考えてねぇ」


「そうだけど…そんな言い方はないんじゃない?それに付き合ってるわけだし、そういうことしててもおかしくないでしょ。なんでそんなに怒ってんの?」



ハッとしたように千瑛が立ち止まった。



「千瑛?」


「…悪い。用事思い出した。先帰る」


「え?あ…」



千瑛はなぜか思い詰めた顔で行ってしまった。


千瑛がどうしてそんなにムキになって怒っていたのか、その時の私にはわからなかった。





「あ、千瑛くんに一条さん!」
< 71 / 168 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop