世界で一番好きな人
担任に頼まれた雑用を終わらせて千瑛と教室に戻っている途中で、村井先生とばったり会った。



「シフォンケーキ焼きすぎちゃったのがあるんだけど、よかったら保健室に食べに来ない?」


「え、行きたい!」


「俺、用事あるから」


「え?そんなの言ってなか…って、千瑛!」



千瑛は振り向くことなく行ってしまった。


あの日から一週間が経ったのに、なぜか千瑛は頑なに村井先生と話そうとしない。



「…一条さんだけでも、どうかしら?」


「あ…はい、じゃあお言葉に甘えて」



いくら村井先生と気まずいからって、私のこと置いていった千瑛なんてもう知らない…!





先生に連れられて久しぶりに保健室に来る。
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