世界で一番好きな人
どうやら下で遊んでいた男子生徒達が、誤って窓ガラスを割ってしまったようだ。



そうだ、二人は大丈夫かな、と顔を上げると、村井先生を庇うようにして千瑛が覆い被さっていた。



「あ…茉莉花、大丈夫か!?」



ハッとしたように千瑛が私に向かって手を伸ばしてきたが、思わず叩き落としていた。



「…え、あ、ごめん…!私は大丈夫…」


「そう、か…。ごめん。梓の方が近くにいたから咄嗟に庇っただけで、別に深い意味とかはなくて…」


「いいよ、わかってる」



千瑛が咄嗟に庇ったのは、村井先生だった。



「ほんとにごめん…」


「もういいって。なんでそんなに謝るの?やめてよ、惨めにしないで…」
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