世界で一番好きな人
そういえば今日はクリスマスだったんだと今更気づく。



「いいよ別に。あ、ケーキとか買えばよかった?あ、イルミとかも…」


「ううん、いい。これだけで嬉しい」



千瑛からもらった箱をゆっくり開けて中身を取り出す。


中に入っていたのは、ピンクの小さな花のチャームがついているネックレスだった。



「茉莉花の名前に“花”って漢字が入ってるだろ?だから花のやつにしたんだけど…って、気に入らなかった?」



視界が歪んで千瑛の顔がぼやけた。


ふるふると必死に首を振りながら、ネックレスをぎゅっと抱きしめる。



「泣くなよ…。ほんとに茉莉花は泣き虫だな」



千瑛は笑いながら優しく抱きしめてくれた。
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