世界で一番好きな人
すごく嬉しかった。


クリスマスを楽しみにしていたのを覚えてくれていたこと、こんなことになっている今でも、私のことをちゃんと考えてくれていたこと。その全部が嬉しかった。


千瑛はいつも私に優しくて幸せをくれて、笑顔にしてくれた。



「…千瑛」



しばらく経ってから、千瑛の体を押して離れる。



「ん?」



きょとんと首を傾げる千瑛にそっとキスをした。


唇を離してから千瑛を見上げ、にこっと笑顔を作る。



「私たち、別れよう」


「…え?」



千春さんの気持ちが少しだけわかった。
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