帝国支配目前の財閥御曹司が「君を落とす」と言って、敵方の私を手放してくれません
甘く愛を注がれて…
甘く愛を注がれて~芙優side~
電車を乗り継いで大我のマンションに着いたら、もう深夜だった。
「芙優…今日は黙って俺に抱かれて」
夜風に冷えた体を温め合うように、ベッドの上で抱きしめあった。
初めての夜とはまた違うドキドキが襲う。彼は財閥御曹司。手も届かないはずの存在の、美しい人が、私をこんなにも大切に扱ってくれている。会社のプロジェクトの一番の邪魔者であるにもかかわらず。
柔らかく唇で触れ合いながら、胸のふくらみを大我の手が包み込んだ。
少し触れられただけでも、全身が反応してしまう。こんなのは初めて。
「あっ」
胸の頂を口に含まれ、無意識に声が漏れた。
「可愛い声…もっと聴かせて」
耳元で囁かれると、体がビクンと跳ね上がる。肩で息をする私を撫でる手のひらが、お腹を滑り降り、下腹部へと届く。
「いやっ‥」
優しく両足を開かれて抵抗を試みるけど、大我の指先の熱っぽい愛撫が、全身の力を奪っていく。
甘やかな刺激に、背中が反り返った。
大我は艶っぽい目つきで微笑んだ。彼が与えてくる鋭くも甘い快感に、体が震えてしまう。
「その感じてる顔、すごく可愛い…」
唇を塞がれる。濃厚な接吻に、舌までもが蕩けてしまいそうになる。
だめ。体全部が、大我を好きだって叫んでる。
「芙優…もう準備できたね、いい?」
大我は引き締まった上半身を胸の上に重ね合わせた。
「わかる?俺が芙優にすっごく感じてるの」
綺麗な顔がいつになく余裕のない感じで見つめてくる。その普段は見せない無防備な表情が、たまらなく愛おしい。
「大我さん…来て?」
「うわ、その言い方可愛すぎ…」
自分では触れたこともない場所に、大我が触れる。体の芯から溢れ出す悦びに、体をよじってしまう。
猫のような恥ずかしい声を漏らすと
「ヤバい、まじで煽りすぎだから…」
大我が囁いた。
「大我さん…」
とろんとした瞳で見下ろしてくる大我を見上げた。
「芙優…好きだよ。芙優だけが好き」
耳元で深い声で囁かれ、快感が一段階深いものに変わった。
大我は暴走する体をなだめるように動きを緩め、唇を甘く食んでくる。
「もっとやさしくしてよ芙優…こんなにぎゅっとされたらマジもたない」
「そんなこといわれても…」
「かわい。ほっぺた真っ赤」
腰全体に広がる重くて甘ったるい快感がだんだん鋭くなり、さざ波のような愉悦が何度も押し寄せては引いていく。頭が真っ白になる。はしたない声が勝手に漏れてしまう。
手を握り合って、ふたりで快楽の頂を見た。
大我は汗で濡れた肩で息をして、妖艶にほほ笑むと、私の上に崩れ落ちた。
「芙優…もう離れたくない」
繋がりあったまま、いつまでも抱き合った。