淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
聞きながら、戸倉瑞樹がなにがいいたいのか理解してきた。
「それなら、私も手伝います。仕事終わりに立ち寄ってみようと思います」

咄嗟に、食いつくようにそう言っていた。
戸倉瑞樹が満面の笑顔を浮かべる。

それは野花でも野良猫でもなく、間違いなく麻里奈へ向けられた笑顔だった。
麻里奈の心臓が撃ち抜かれる。

しかし本人はこれがどういう感情なのかわからず、ただ呆然と立ち尽くしたままだった。
「よかった。頼みますね」

いつの間にかふたりはエレベーターから降りていて、戸倉瑞樹は足軽に駅へと向かって歩いていたのだった。
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