淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
戸倉瑞樹が近くにいると嬉しいのに苦しくて自分らしさを出すことができない。
なのにこうして離れていく彼の姿を見ると寂しくて仕方ない。

そんな複雑な感情の中生まれた大きな光があった。
「僕も時間があれば公園に行きます」

ついさきほど戸倉瑞樹が言った言葉を繰り返す。
これってつまり、始めて戸倉瑞樹と約束を取り付けることができたってことだよね!?

デートとは程遠い。
身体の関係なんて手を伸ばしても届かないような約束。

それでも麻里奈にとってそれは特別なものだった。
「やっっっったぁぁぁ!!」

その場で飛び跳ねて喜ぶ麻里奈に、道行く人々は驚いて視線を向けていたのだった。
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