淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
『ロシアンヌ』には姉妹店なども多くあり、そのどれもが1号店だけではとどまっていない。
今はまだ都内を中心にした店舗だけれど、ゆくゆくは地方でも出店する予定があると聞いていた。

「そう。出店先は千葉なんだけど、東京まで電車で1時間ほどの場所よ」
「ついに東京を出るんですね?」

「そうなの。それで、その5号店の店長候補として、あなたの名前を上層部に伝えてもいいかしら?」
店長の言葉が信じられなくて麻里奈は目を見開いたまま固まってしまった。

私が店長……?
いずれ昇進、昇格するかもしれない。

将来的には自分のお店を出したりするかもしれない。
そんな夢物語が一気に現実に近づいてきた気がした。

「あ、あの私でいいんですか?」
「もちろんよ。普段の働きっぷりはちゃんと見ているから、夢園さんになら任せられると思ったの」

「それで、その5号店っていつ頃できる予定なんですか?」
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