淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
昔の恋
戸倉瑞樹と一緒に帰宅した麻里奈を見て鈴子はすっかり勘違いをしていた。
だって、今までも狙った男は必ず落としてきた麻里奈だ。

ようやく戸倉瑞樹を落とせたのだと思っても仕方ないことだった。
「違う。そうじゃない」

疲れ果てたようにソファに寝そべった状態で今日の出来事を説明すると、鈴子は目を丸くした。
「嘘でしょ。戸倉さんとふたりきりになったのに、キスもせずに帰ってきたの?」

頷く麻里奈に鈴子は更に目を見開いた。
今までの麻里奈では考えられないことだった。

ターゲットとふたりきりになれば必ずと言っていいほど身体の関係を持ってきた麻里奈が、なにもなかっただなんて。
「私、やっぱりどこかおかしいのかも」

涙目で言われて鈴子が「大丈夫?」と、心配する。
確かに戸倉瑞樹と出会ってからの麻里奈は全く麻里奈らしくない。
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