淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
☆☆☆

そのに日の麻里奈は少し早めに退社させてもらい、その足で帰路とは別方向へと歩き出していた。
麻里奈が歩くたびに高いヒールがカッカッと音を鳴らす。

その音にひかれるようにして夜の男たちが振り向いた。
ときには冷やかすように唇を吹かれるが、大抵それだけだ。

麻里奈が迷うこと無くやってきたのは繁華街の一角だった。
そこには小さな川が流れていて、短い橋がかかってる。

橋の上には若い女の子たちが何人も並んで立っていた。
みんなスマホを片手に持ち、時折周囲を見回している。

男が近づいてくると少しだけ会話をして、双方が納得すればそのまま一緒に歩いて夜の街に消えていく。
そう、ここは立ちんぼたちがいる一角なのだ。

麻里奈はその中に入っていくと、川が綺麗に見える場所を探して立ち止まった。
月明かりとネオンに照らされてキラキラと輝く水面を見ていると少しだけ心が落ち着いてくる。

昨日から制御が聞きにくくなっているサキュバスとしての血が凪いでいくのがわかる。
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