淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
あとに残された麻里奈は呆然として戸倉瑞樹を見上げる。
どうしてここにいるのか。
なぜ自分を助けてくれたのか。

質問したいことは山のようにあるのに、言葉が出てこない。
麻里奈の胸の中は一杯で、苦しいくらいだ。

「助けない方が良かったですか?」
なにも言わない麻里奈に戸倉瑞樹が怒ったような表情で聞いてきた。

麻里奈はその声で我に返り「い、いいえ。ありがとうございます」と、頭を下げる。
それを見た戸倉瑞樹は無言で歩き出した。

麻里奈もその後に続く。
「あ、あの、どうしてここに?」
麻里奈の質問に答えず、大股に歩き続ける戸倉瑞樹。
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