淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
いつもどおり無視されていると思ったが、時折歩調を緩めて麻里奈が追いつくのを待ってくれていることに気がついた。
そしてホテル街を抜けると「ただの偶然です。僕は近道をするためにあの通りを歩いていただけです」と、返事をしてくれた。

なんだ、そうだったのか。
と思うと同時に少しだけガッカリした。

だって、現れたタイミングがまるで王子様の登場シーンみたいだった。
「それよりもあなたです。どうしてあんなところで、あんな男にホテルに連れ込まれそうになってたんですか」

怒った声で言われて麻里奈は戸惑った。
どうして怒っているのかわからない。

自分がなにか失礼なことをしただろうか。
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