淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
☆☆☆

店長としての勉強は基本的にお店の営業時間が終わってからすることになった。
そのため帰宅時間はどうしても遅くなってしまう。

「今日も遅くなってごめんねぇ」
茂みへ向けて声をかけると、三毛猫がすぐに姿を見せた。

もうすっかり慣れっこだ。
麻里奈が買い物袋の中から缶詰のエサを出すのを今か今かと待ち構えている。

戸倉瑞樹との関係を完全に諦めた麻里奈だったら、野良猫の存在を無視することはどうしてもできなかった。
以前戸倉瑞樹が行っていたようにあまりエサやりに来れない状況が続いていると、餓死してしまうかもしれない。

さすがにそれは可哀想だった。
ガツガツと勢いよくエサを食べる猫を見ていると戸倉瑞樹の笑顔を思い出して、つられて微笑んでしまう。
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