淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
久しぶりに見る笑顔。
そして優しい眼差しに麻里奈の心は一瞬で吸い寄せられてしまう。

「わ、私をですか?」
「はい。あれから姿を見ないから心配していたんです」

麻里奈の姿を見ないのは、麻里奈が戸倉瑞樹から逃げていたからだ。
「わ、私は元気です」

少し返事をするだけで口ごもってしまう。
自分がすごく緊張してることがわかった。

心臓が早鐘を打ち、視線をさまよわせる。
「そうですか。それを聞いて安心しました」

それだけ言うと戸倉瑞樹は麻里奈に背を向け、自分の部屋へと向かった。
これで終わりかと思うと突然の焦燥感に駆られて麻里奈は無意識のうちに戸倉瑞樹を追いかけていた。

そしてその背中の服を掴む。
「あ、あのっ」
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