淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
「麻里奈なら男の人にやしなってもらえるでしょう?」
麻里奈専用の大きな鏡台の前で化粧をしていると、後ろから鈴子がそう声をかけてきた。

鈴子の鏡台は自分の部屋にあるのだけれど、麻里奈の鏡台は大きすぎて置くスペースがなく、共同スペースにおかせてもらっている。
その鏡台の上にも引き出しの中にも大量のメーク道具が入っていて、鈴子が見てもなにがなんやらさっぱりわからない。

「愛人ってこと?」
「そう、それ」
「そんなことしたら自由にできないじゃない」

「そうなの?」
「そんなもんなのよ」

愛人関係だとわかっているのに女を独り占めしたい男は沢山いる。
完全に割り切ってくれる人は案外少ないものなのだ。
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