淫夢でも溺愛されたい! 〜サキュバスは隣人にガチ恋する~
そう考えた途端、麻里奈の中にムクムクと闘志が湧いてきた。
ソファからすっくと立ち上がり、鈴子を見る。

「鈴子、私って綺麗だよね?」
「そうだね。悪いのは性格だけって感じ」

いつもの返事に安心する。
そう、私は美人だ。

サキュバスの祖先がいるため、普通の人よりもフェロモンも多めに発散されている。
淫夢の力を使わなくても言い寄ってくる男たちは星の数ほどいた。

きっとできる。
できないわけがない!

狙った男は百発百中でこの手の中に落としてきたんだ。
そのテクニックを使ってやろうじゃないの!

「戸倉瑞樹を私自身の魅力で落とす!」
麻里奈は拳を作ってそう宣言したのだった。
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