淫夢でも溺愛されたい！ 〜サキュバスは隣人にガチ恋する～

手強い相手

戸倉瑞樹を落とすと宣言した翌日の朝、麻里奈は前日と同じように１時間早く起きて鏡台の前に座っていた。
念入りにメークをしてヘアセットも怠らない。

深いスリットの入った赤いタイトワンピースを来て姿見の前に立った。
このワンピースは『ロシアンヌ』の商品ではないから、首から『ロシアンヌ』の真珠のネックレスを下げた。

深いスリットから見え隠れする太ももに男どもが釘付けになるのが目に見えている。
それにお知りの膨らみも強調されていて実に妖艶で女らしい。

スタイルがよくないと着こなせない服だ。
「麻里奈その服を着てどこに行く気？」

起き抜けの鈴子にそう聞かれて「仕事に決まってるでしょ」と、答える。
「冗談でしょ？　髪だって巻きすぎだと思うけど」

鈴子から指摘された髪型は昔キャバクラ嬢の間で流行った夜会盛りの優しいバージョンだ。
上に上に盛り上げるスタイルの髪型にして、アクセサリーをつけている。

「これくらい気合を入れていなかないと敵は手強いんだから」