最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 半悪魔体は、外見は人間でありながら、悪魔の細胞と血が半分流れている。それに対して半魔獣体は、細胞単位で見れば人であることが大きく違っていた。

 魔物や魔獣が持つある特徴的な特性もあって、獣人は人と共存出来る環境が作り出されているらしい。けれどその方法や経緯といった詳細に関して、スミラギは語らなかった。時間も限られるだろうと考えて、サードも『余分な説明』と考えただ黙って聞いていた。

「何か思うところはありませんか?」
「何かって?」

 一通り話を聞かされたところで、そう確認するように尋ねられた。思わず「変なことを訊く奴だな」と露骨に表情に出したサードを見て、スミラギが小さく息を吐く。

「まぁ予想済みの反応です、今はいいでしょう。さて、続いて『死食い犬』について簡単に説明すると、Bランク級の指定魔獣で、見掛けは大きな黒い犬の形をしています。彼らは力のある魔物のそばに群れで居座り、集団行動を起こす厄介な魔獣として有名です」
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