最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 半悪魔として生まれた少年たちは、発狂すると怒り狂ったように無差別攻撃を始める。

 心臓と頭が完全に機能を止めるまで暴れ狂うので、大抵はその場で高圧電流によって心臓機能を止められた後、首を切り落として焼却処分されることになっていた。

 スミラギに、『強固結界』の実験を見たことがあるだろう、と促されたサードは、一度だけ、その手順が取られなかった日のことを思い出した。


 あの日、研究者たちは、暴れる少年を戦闘部隊を使って叩きのめし、サードたちが見守る中、強化ガラスで作られた部屋の中へ放り込んだ。

 一人の研究者の合図が上がると、強化ガラス内が半透明の光のようなものに包まれた。身体の再生が完了し再び暴れ出した少年が、強化ガラスに触れた瞬間に光が走り、彼の身体が激しく弾かれたのを覚えている。

 けれど理性を失っていた少年は、皮膚を焼け爛れさせながら四方の強化ガラスに挑み続け、最後は大きな痙攣を起こして死んだのだ。
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