最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「――やれやれ、あなたも巻き込まれましたか。見事に宙を飛んでいましたが、よく無事でいられるなと感心致しました」

 辛辣な敬語口調を聞いてすぐ、それが誰であるか分かってしまった。

 サードは、それだけでなんだか酷い疲労感を覚えた。ゆっくり目を向けてみると、そこには冷ややかな美貌をした生徒会の副会長レオンがいた。

「…………副会長、普通さ、もっと違う感想があるんじゃね? 俺、足元が爆発して、めちゃくちゃ宙を飛んだんだけど?」
「ありません。それよりも、効率のいい倒し方もあったのでは? あまりに雑で汚い戦いには、心底呆れました」
「ああ、なんだ魔獣の方が、お前見てたのかよ? ――というか、そっちの感想こそ求めてねぇわ! 爆弾だよ、爆弾の方!」

 サードは主張したものの、レオンはそこを聞き流して勝手に話しを続けた。

「私の方は『死食い犬』を先に仕留めたのはいいのですが、ユーリス先輩のもとへ行くまでに爆弾トラップ区域が出来ており、引き返した先に転がり込んできた三秒爆弾を避けるのに手いっぱいで、ソーマの助太刀には間に合いませんでした。土煙で会長の姿も探しきれない状況で、どうしようかとすぐそこで待機していたところです」
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