最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「剣の魔力解放が早くなければ、あの魔獣はてこずる相手かもしれません。私たちの聖剣は、内側に眠る魔力を解放しなければ、効力は半分までしか引き出せませんから、魔術が不得意なソーマには不利な戦闘開始でした。ユーリス先輩は戦闘魔術師ですので、基本的に魔砲弾を撃って対応されますが、あちらもスピードのある敵だと少々不利ではあります」
「にしては悠長にしてるよな、副会長?」
「彼は独自に短縮詠唱が可能な術者ですし、魔法の複合発動もお手のものなので、自分でどうにか出来ると思います。私たちと違い、最年少で討伐部隊に参加し魔物との戦い経験も多いお方(かた)ですから…………ですから正直、経験も浅く魔術操作も未熟なソーマは、もう駄目かと思いました」
レオンが視線をそらし、ぽつりとそう呟いた。
訝しげに首を傾けたサードは、ふと、その背中から血の匂いが漂ってくる事に気付いた。ちらりと盗み見てみると、激しく打ち付けられたように制服が所々綻び小さな血も滲んでいた。組んだ腕の先を辿れば、その手にも擦り傷がある。
「にしては悠長にしてるよな、副会長?」
「彼は独自に短縮詠唱が可能な術者ですし、魔法の複合発動もお手のものなので、自分でどうにか出来ると思います。私たちと違い、最年少で討伐部隊に参加し魔物との戦い経験も多いお方(かた)ですから…………ですから正直、経験も浅く魔術操作も未熟なソーマは、もう駄目かと思いました」
レオンが視線をそらし、ぽつりとそう呟いた。
訝しげに首を傾けたサードは、ふと、その背中から血の匂いが漂ってくる事に気付いた。ちらりと盗み見てみると、激しく打ち付けられたように制服が所々綻び小さな血も滲んでいた。組んだ腕の先を辿れば、その手にも擦り傷がある。