最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
先程、ソーマの危機に気付いた時、レオンは対峙している魔獣を無理やり倒してでも駆け付けようとしたのではないだろうか――という想像が脳裏を過ぎっていった。
もしかしたらレオンは、誰よりも全員の無事を願い、みんなで生きて戻ることを望んでいるのではないだろうか。余裕がない状況の中でさえ、こうして全員の戦いを目に留めて気を配らずにいられないほど……。
だから、こちらの戦いも見ていた?
今更のように気付かされて過ぎっていった可能性や憶測を、サードは胸の底にしまった。すると、一つの足音が近くで止まって、どこか呑気な響きを持った例の戦闘魔術師の声が聞こえてきた。
「二人とも無事だったんだね、よかったぁ」
頬に煤をつけたユーリスが、こちらを見て安堵した様子で笑った。彼の柔らかい色素の薄い金髪は乱れ、制服の所々に焼けたような痕跡もある。
レオンと共にそちらを振り返ったサードは、思わず凛々しい眉を顰めて尋ねた。
「おい、会計。お前なんで所々焦げてんの? 爆弾にでも引っ掛かったのか?」
もしかしたらレオンは、誰よりも全員の無事を願い、みんなで生きて戻ることを望んでいるのではないだろうか。余裕がない状況の中でさえ、こうして全員の戦いを目に留めて気を配らずにいられないほど……。
だから、こちらの戦いも見ていた?
今更のように気付かされて過ぎっていった可能性や憶測を、サードは胸の底にしまった。すると、一つの足音が近くで止まって、どこか呑気な響きを持った例の戦闘魔術師の声が聞こえてきた。
「二人とも無事だったんだね、よかったぁ」
頬に煤をつけたユーリスが、こちらを見て安堵した様子で笑った。彼の柔らかい色素の薄い金髪は乱れ、制服の所々に焼けたような痕跡もある。
レオンと共にそちらを振り返ったサードは、思わず凛々しい眉を顰めて尋ねた。
「おい、会計。お前なんで所々焦げてんの? 爆弾にでも引っ掛かったのか?」