最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「報告をしたらすっ飛んできました。おかげで、あなたが寝込んでいた一週間、サリファン子爵があまりにもウザ――失礼。あまりにも鬱陶しく、こちらは学園の騒ぎ後の収拾や、修復作業でも忙しいというのに、彼の世話に人員と部屋を提供せねばならず、彼が空けた王宮の研究棟も仕事の滞りで大変な騒ぎになっています。まぁそれ以上の騒ぎが続発しましたので、今は彼に対しては、心底どうでもいいと思えるくらいになりましたが」
「目覚めて早々、色々と辛辣すぎる……」

 久々に聞くようなマシンガントークを前に、サードはあっという間に小さくなった声で呟いた。おかげで、痛みも空腹も一瞬にして頭から吹き飛んだような気がする。

 スミラギは、ハンカチを顔にあてて涙を拭うトム・サリファンに椅子を提供した。そして、その近くの椅子を引き寄せると、自分も座って長い足を組んだ。

「気になっている事でしょうし、説明はしましょう。まず、どれからお話ししましょうか?」
「まぁ、悪魔の件とか……?」

 唐突に問われて、サードは戸惑いつつも浮かんだ一つを挙げてみた。
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