最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 書類処理にあたるサードの隣の執務席から、仕分け作業に加勢しているリューがそう声をかけた。応接席には、同学年の四人の部員が座って印鑑未処理の意見書を振り分けていた。

「『白髪染めは違反にならないので試してみては』って嫌味が来てますけど、どうします?」
「よし、捜し出してぶっ飛ばそう」
「委員長、『パンばかり食べるのはどうかと思う』『食堂へ来ないのは、好き嫌いを隠すみたいで風紀委員長として如何なものか』って意見も来てます」
「好き嫌いってなんだよ。つか阿保だろ、そいつ」

 嫌がらせの傾向が若干変わっていて、チクチクと苛立ちを煽るような嫌味文に仕上がっていた。以前のように『嫌いだ』『辞任しろ』とだけストレートに書かれていた方が、まだマシな気がした。

 そうやっていつも通り作業に当たり、部員たちは傷の具合の他は何も訊いてこなかった。一週間前と変わらが書類処理業務を手伝い、授業が始まると教室に戻っていき、見回りが終わればいつも通り報告にくる。
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