最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 昼食をとるリューや部員たちが、何気ない話題を口にして普段のように笑う。その様子を「なんだかなぁ」と不思議に思って眺めながら、オムライスを食べ進めた。

 これまで空腹も満腹もなかったというのに、食欲が分かるようになってから一気に食事の量が増えていた。このオムライス定食一つでは、とてもじゃないが足りそうにない。

「…………なぁ、これって、また注文してもいいのか?」

 一番に食べ終わったサードは、チラリと尋ねてみた。

 リューと部員たちが目を丸くした。互いに顔を見合わせたかと思うと、一同を代表するようにリューが「委員長」と言った。

「一応スミラギ先生からは、食事の件については聞いて知っているんです。だから大盛りで注文したんですけど、足りませんでしたか?」

 食事量が増えた事について、スミラギは「当然の結果です」と述べていた。半悪魔体は、常に普通の人間の数十倍の稼働を行っているので、外から摂取するカロリー量が多くない方が、理屈に合わないのだという。
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