最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 研究と調査によって、悪魔は快楽的な殺戮衝動を持っている事が分かっていた。その細胞を半分受け持った半悪魔体については、それが人間に向かないよう徹底して教育され、破壊と殺戮の衝動が悪魔に向くよう改良されている。

 勿論、教育と改良の途中で失敗したモノは、すぐに処分された。彼は仲間達がそうやって狂い、『処分』されていくのも実際に見てきた。

「これから、お前は『上』でトム・サリファンの息子として、半年間の実地研修で地上生活に慣れてもらう。問題がなければ予定通り、聖アリスト教会学院に入学だ――いいな、『ナンバー03』」
「了解」
「なお現時点より、お前の名は『サード』となる。あとの細かい設定は『上』に向かいながら説明する」

 少年は話を聞きながら、次に与えられた名前が、旧帝国語で数字の三を意味する言葉であると分かって、適当過ぎやしないかと笑いが込み上げそうになった。しかし、蔑む目を持った研究者たちは、不真面目な態度を取られることを嫌うと知っていたので、彼は笑いを堪えて、従順そうに押し黙る振りをしたのだった。
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