最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 くそぉッ、こいつが色々と面倒臭いのが悪い。毎度何かと張り合って目の敵にするし、眼中にないって宣言してやりたいくらいだしな!

 そう内心悪態を吐いたサードは、レオンが目を細めるのを見てギクリとした。

「…………それは、一体どういうことでしょうか?」

 レオンの形のいい唇から、地を這うような声がこぼれ落ちた。上手いいい訳と方法を早急に考えながら、サードは視線を泳がせて一歩後退する。

「えぇと、だからそれは……ほらッ、そういうのは『皇帝』とかが決めることだし!? たかが風紀委員長でしかない俺の推薦が決まるとか、想像もつかないというか……」

 時間稼ぎのように喋る分だけ、どう言い訳すれば誤魔化せるのか分からなくなってきた。言葉遣いもあやしいし、このままだとボロが出そう……。

 その時、扉の向こうから生徒たちのざわめきが聞こえてきた。タイミング良く検査が終わってくれたらしい。サードは逃げることを決めて、素早く扉の開閉を行った。
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