最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「なぁ、部員一号。猫って可愛いよな」
「部員一号って、まだ俺の名前覚えてないんすか……まぁ、そうですね。でも俺はどちらかと言えば、リスとかハムスターとかの方が好きです」

 耳にしたことがない単語をあげられてしまった。

 それは一体『なん』だろう。サードは、つい、隣の風紀部員をチラリと盗み見てしまった。一年共に風紀の活動をしているが、一つ年上である事以外名前も知らないでいる。

「……仔猫、小さくて柔らかいんだぞ。それでも『リス』なのか?」
「リスやハムスターの方が、小さいじゃないですか」
「………『リス』と『ハムスター』は、ここにいないのか?」
「え、野生ですか? 実家で飼ってはますが、さすがに野生では見たことないですね……」

 どうやら、仔猫よりも小さい生き物が存在しているらしい。初めて聞く『リス』や『ハムスター』という生き物が、サードはとても気になってきた。時間があれば久々に図書館にでも立ち寄り、動物図鑑を広げてみてもいいかもしれない。
< 64 / 345 >

この作品をシェア

pagetop