最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「お前、友達を連れてきたのか?」
「に、にゃ~……」

 灰色の仔猫が小さな耳を垂れ、ちらりと金色の仔猫を振り返る。金色の仔猫は、ふわふわとした長い尻尾を振って「にゃーん」と上機嫌に鳴いた。

 困ったことがあればまた来いとは言ったが、まさか本当に会えるとは思っていなかった。サードは嬉しくなってしまい、ぎこちなくそばに寄ってきた灰色の仔猫を、抱き上げて思い切り頬ずりしてしまった。

「めっちゃ癒されるなー。やっぱり小さいし柔らかいなぁ、お前」
「にょぉぉおおおおおおおおお?!」
「ははは、相変わらず変な声だなぁ」

 サードは仕方ないと諦めて、爪も立てず抵抗する灰色の仔猫を解放してやった。すると、仔猫は怯えたように、金色の仔猫の後ろに隠れてしまう。

 どうやら、抱き上げられるのは苦手らしい。しかし金色の仔猫の方は、自分から進んでこちらの膝頭に身を寄せてきた。

「人懐っこいな。急に抱っこしても怯えないか?」

 両手で抱え上げて尋ねてみると、金色の仔猫は楽しげに「にゃーん」と鳴いた。
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