最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
「誘うな。俺は適度に休んで仕事してんだよ」

 むしろ、交換するような意見は持ち合せていない。風紀委員長を生徒会室へ招待するのではなく、まずはその『業務休憩』とやらについて、風紀員会にも話を通せよ勝手に何やってんだよ、とサードは色々思って苛々しながら目頭を押さえた。

 その様子を黙って傍観していたロイが、「おい」と口を開いた。

「お前が過労なのも、あながち間違いじゃないだろう。特に最近は忙しいと聞くが?」
「問題を起こすバカがいなけりゃあ、忙しさは減ってくれるんだけどな」

 健康診断の前々から、春に浮かされたように同性同士のトラブルによる通報と現行処罰が続いているのだ。そのおかげで仕事も増え、サードは見たくもないのに、服をはだけたまま抱きあう一学年生と三学年生の少年たちにも遭遇した。

 その光景を思い出したら、げんなりとした表情を晒してしまいそうになった。気分を直すようにしてテーブルに目を向けてみると、砂糖が塗られたもの、チョコチップや、赤や緑のジャムがトッピングされたもの。ハートや星型のクッキーが複数の皿に用意されていた。
< 83 / 345 >

この作品をシェア

pagetop