最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
サードは、ややあってティーカップを置いた。もう帰ってもいいだろうか、と席を立つタイミングを見計らって出口の方を盗み見る。
すると、口の中の菓子を咀嚼していたエミルが、唐突に思い出したようにソファの後ろに手を伸ばした。
「サリファン君、これ、な~んだ!」
取り出されたのは、エミルの身長の半分以上の大きさがある桃色の人形だった。時々、彼がそれを抱きしめていたり、背負ったまま紐で固定して連れ歩いているのを見たことがある。
それを思い出したサードは、眉を顰めて人形を指差した。
「それ、いつもの変な形のヌイグルミだろ」
「え~、変なヌイグルミじゃないよぉ」
「じゃあ言いかえる。『ボディバランスがやばい人形』だ」
「ひどいよッ、こんなに可愛いのに?!」
人形をぎゅっと愛らしく抱き寄せたエミルが、「信じられない」と大袈裟に瞳を潤ませた。
「もぉ~、なんでこの可愛さが分かんないのかなぁ。じゃあ、二番目の子たちを出してあげちゃうもんねッ」
すると、口の中の菓子を咀嚼していたエミルが、唐突に思い出したようにソファの後ろに手を伸ばした。
「サリファン君、これ、な~んだ!」
取り出されたのは、エミルの身長の半分以上の大きさがある桃色の人形だった。時々、彼がそれを抱きしめていたり、背負ったまま紐で固定して連れ歩いているのを見たことがある。
それを思い出したサードは、眉を顰めて人形を指差した。
「それ、いつもの変な形のヌイグルミだろ」
「え~、変なヌイグルミじゃないよぉ」
「じゃあ言いかえる。『ボディバランスがやばい人形』だ」
「ひどいよッ、こんなに可愛いのに?!」
人形をぎゅっと愛らしく抱き寄せたエミルが、「信じられない」と大袈裟に瞳を潤ませた。
「もぉ~、なんでこの可愛さが分かんないのかなぁ。じゃあ、二番目の子たちを出してあげちゃうもんねッ」