最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 舞台では、集まった全校生徒に向かって、理事長が五月の抱負について語っていた。その横顔を眺めながらロイが思いつくままに口を開いている状況に、サードの堪忍袋の緒はそろそろ切れそうだった。

「お前さっきからずっと喋ってるけど、理事長の話は聞いてんのか?」
「今日はショートケーキがあるから、『業務休業』の後にでも生徒会室に来い」
「俺の話も聞いてねぇな?! くっそ、もうお前は口を閉じてろ!」

 サードは文句を言って、堪らず両手で顔を覆った。ここ数日間すっかりペースが乱され、風紀委員長としての設定が時々崩壊しているような自覚もあった。

 三日前、生徒会室に連れ込まれた際に聞いた『業務休憩』については、午後に風紀委員会室にも、理事長が提案を承認して決定された、と正式な知らせが届いた。

 健康促進を目的とした新たな業務指令は、生徒会と風紀委員会はそれぞれ昼食休憩の後と、放課後の活動前に『業務休憩』を設けるというものだった。ちなみに業務休憩時には、理事長側から菓子が届けられる仕組みになっている。
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