最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
一日に二回ある業務休憩は、それぞれ一時間と定められていた。
その間は仕事をしてはいけない、という強制的な休息指示に、少ない人数でどうにか回していた風紀委員会は頭を抱えてもいた。業務の進め方を見直したり調整したりしているが、ずっと全員残業という厳しさを味わっているところだ。
例の『月食』まで日が迫っているというのに、その二回休憩という馬鹿らしい新業務のおかげで、サードは仕事の調整に追われて休む暇もなかった。風紀委員会の現状を、理事長は把握しているはずなので「生徒会の意見を勝手に採用するなよ……ッ」と文句を言いたくてたまらない。
悶々と頭を悩ましていると、浅く息を吐くような笑いが聞こえてきた。顔を上げて隣に目を向けてみると、どこか楽しそうに肩を震わせているロイがいた。
「お前、そんな顔をするんだな」
「…………」
どういう意味だ、コラ。
その時、舞台から「続いて生徒会長の挨拶です」と司会の声が掛かって、ロイが涼しげな顔で席を立っていった。
その間は仕事をしてはいけない、という強制的な休息指示に、少ない人数でどうにか回していた風紀委員会は頭を抱えてもいた。業務の進め方を見直したり調整したりしているが、ずっと全員残業という厳しさを味わっているところだ。
例の『月食』まで日が迫っているというのに、その二回休憩という馬鹿らしい新業務のおかげで、サードは仕事の調整に追われて休む暇もなかった。風紀委員会の現状を、理事長は把握しているはずなので「生徒会の意見を勝手に採用するなよ……ッ」と文句を言いたくてたまらない。
悶々と頭を悩ましていると、浅く息を吐くような笑いが聞こえてきた。顔を上げて隣に目を向けてみると、どこか楽しそうに肩を震わせているロイがいた。
「お前、そんな顔をするんだな」
「…………」
どういう意味だ、コラ。
その時、舞台から「続いて生徒会長の挨拶です」と司会の声が掛かって、ロイが涼しげな顔で席を立っていった。