最強風紀委員長は、死亡フラグを回避しない
 全校集会で活動定期報告を済ませた後、サードは早速リューに話した。
 少し負担を増やしてしまうことに申し訳なさを覚えながら、日報は副委員長の仕事になったと説明すると、リューはこちらの予想を裏切るような笑顔で「任せて下さい!」と瞳を輝かせた。

               ◇◇◇

 その数時間後、昼食休憩が終わったあと。

 本日一回目の『昼休憩』の業務休憩を遂行するべく、あまり広くもない風紀委員会室に、全二十八名の風紀部員が集まった。業務休憩の開始時刻ぴったりに、理事長室担当の一人の守衛が『休憩用の差し入れ』を持ってやってきた。

 衛兵は片手に大荷物を抱えたまま、まずは室内に全員揃っているのかを人数で確認した。それから、菓子の入った大箱を「落とさないように一人一個ずつ持て」と、愛想がない割に丁寧に指導し手渡し始める。

 一番はじめに菓子箱を受け取ったのは、リューだった。彼に続いて、他の部員たちが残りの菓子箱を順に受け取り出す。

「委員長、今日はチーズケーキみたいですよ。あと、それに合う紅茶も来てます」
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