祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「あのわからずやな殿下は第二王子で、これまでに色々と問題を起こしておりましてね。なので、厄介払いのようにして他国に婿に出されることになりました。ですので、今回の救世の旅に参加させて、陛下は箔付けをしたかったんだと思います……せめてもの、最後の親心と言いましょうか」

「はっ……箔付けのためですか?」

 確かに……よくよく考えると、あんな文句しか言わない駄目な王子を他国に婿入りさせるのなら、救世の勇者くらいなとてつもないステータスあった方が良いのかもしれない!

 世界を救ったんだから、少々のことは目を瞑ってやろうとか思う人だって居るかも知れないし……居ないかもしれないけど。

「そうです。陛下も兄にあたる王太子殿下も、あのエセルバード様の扱いには苦慮されておりまして……ちょうどうちの団長と母君にあたる亡き王妃様が幼馴染みだったということで、団長もエセルバード殿下のことを頼まれれば断れないんですよ。血は繋がっていませんが、親戚のような気持ちなんでしょうね」

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