祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「ですが、親しくなった人がこの世界のどこかに居ると思うのと、別世界でもう二度と会えないのとでは……だいぶ、気持ちが違いますから……」

 これまでにそれなりに親しくしていた聖女を三人も見送ったせいか寂しそうな様子を見せるジュリアスに、やっぱり彼は自分勝手な理由で人を殺したりするような人には思えない。

 絶対に、あれには何か事情があるんだろ思う。

「あの……私はジュリアスと恋に落ちて結婚出来るなら、この世界に残ります。だから、その覚悟が出来たら名前で……由真って呼んでください」

 ジュリアスは私がこんなことを言い出すと思っていなかったのか、初めて見る呆けた表情で固まって居た。私は自分なりには勇気を出して言ったので、顔が熱くなってしまった。

 これって彼に告白したのも同然なんだけど、私が彼のことを「良いな」って思ってるのって本当にダダ漏れだと思うし、向こうだって絶対わかってるし特に問題ないと思うんだよね!

「ご冗談を。私はそろそろ五十ですよ。聖女様」

「私とキスすれば若返るので、問題ないです。それ以外に何か問題ありますか?」

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