祝福のキスで若返ったかつての英雄に、溺愛されることになった聖女は私です!~イケオジ騎士団長と楽勝救世の旅と思いきや、大変なことになっちゃった~
「すみません。何度も何度も戦闘を続けていると、身体の消耗が激しく最初はなかった衰えを感じていたんです。気がつけば肌も徐々に艶がなくなり、元の姿に戻ろうとしていたのだとわかりました……ですが、こうして『祝福』を受けて理解しました。ほら。若返ったでしょう?」

 そう言ってジュリアスが大きな手を開いて見せて来たけど、不意打ちのキス前にそんなところは見ていなかった。

「……と、言うと……」

 さっきの驚きで思考停止に近い状態がまだ続いている私は、ジュリアスの言わんとしていることが未だに理解出来ていない。

「ええ。申し訳ありませんが、僕は旅の間、聖女様にこうして何度か『祝福』を与えて貰わねばなりません……よろしいですか?」

 待って……待って。これって私がどちらかを選択出来るように見せかけて、イエスしか言えない質問だよ!

 だって、団長は城へと既に帰って、息子のジュリアスが代理でここに来ていますよっていう話になってしまっているもの。ここで団長が居たらまた大混乱で、色々と不具合が出てしまう。

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