イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
依澄くんは1カ月無料お試しキャンペーン実施中。
「先輩」
「はっ、はい!?」
前を歩いていた赤澤くんが不意に止まって振り返ったので、私は大袈裟に肩を跳ねさせた。
振り返る赤澤くんは、なんでもない道なのにフォトジェニックだ。
「なんでそんな離れるんですか」
「えっ……と」
街中の女の子たちの視線が痛いからです!……なんて、1メートル離れたところから言うわけにもいかない。
「こっち来てください。なにも話せないじゃないですか」
「う、うん……」
おずおずと横に並ぶ私を、赤澤くんはジーッと見ている。
うぅ、そんなに見ないで欲しい。
道行く女の子たちが、赤澤くんを見つけると一様にソワソワし始める。
わかってはいたけど、赤澤くんは本当にすごい。
圧倒的な華やかさで人を惹きつけるのに近寄らせることもしない、それでもみんな目で追ってしまう。
ひと口にかっこいいというだけではおさまらない、何かがある。
スター性のある人って多分、赤澤くんみたいな人のことを言うのだろう。
そう思うと同時に、やっぱりそんな赤澤くんがわざわざ私を好きになる理由がわからない。
「あ……あの、赤澤くん!」
私は足を止めて赤澤くんに声をかけた。
「依澄でいいです」
「あ、えっと、依澄くん……!」
「はい。なんですか」
「私、依澄くんになにか失礼なことしちゃった……?」
「え?」
「罰ゲームじゃないなら、なにか怒ってるのかなって……もしそうなら、ごめんなさい!自分ではわからないので教えてくれませんか……っ」