イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
 呼ばれて顔をあげると、もうアイスを食べ終わったらしい依澄くんが、真剣な眼差しで私を見ていた。


「俺、先輩が好きです」

「!」

「先輩が世界一可愛い」

「えっ、あ、えっ?」

 突然はじまった甘い言葉の雨。

 動揺する私を無視して、依澄くんは甘い言葉を吐き続ける。

「彼女にしたいのは一生先輩だけだし、あわよくば結婚したい」

「!?」

 けっ、結婚!?

「俺は先輩が好きです。誰が何と言おうと」

「……!」


 さっきの女の子たちの声、やっぱり聞こえてー……


「覚えといてください。俺が今言ったこと」

「……っ、」


 胸が、熱くなった。

 依澄くんの気持ちが、その声や真剣な眼差しにのせてダイレクトに伝わってきたから。

 本当に私のことを想ってくれてるんだってわかって、なんだか泣きそうになった。


「どうしてそんなに……?」


 どうしてそこまで私を慕ってくれているのかわからなかった。

 依澄くんは、視線を横にそらして少し考え込みはじめる。


「……おととしの、文化祭」

「?」

「実は俺たち、一回会ってるんですよ」

「え!?」

 ビックリする私に、やっぱ覚えてないねって依澄くんは苦笑する。

 おととしってことは、私は一年生で、依澄くんは……中二!?

「ごめんっ、私あのときすっごく忙しくて……うーんと……」
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