イケメン過ぎる後輩くんは、可愛い先輩を甘やかしたい。
「な!?それはダメっ!」


 鼻のアイスを拭くことも忘れて、慌てて依澄くんのスマホに手を伸ばす。

 どこか嬉しそうな依澄くんはおっと、とスマホを私から遠ざける。


「依澄くんっ、ロック画面にそんなお目汚しをっ!目が悪くなるよっ!」

「眼福の間違いでしょ。あーアイス落ちますよ先輩ー」

「えっ、わ、ほんとだっ」

 
 うっかり注意をおろそかにしていた左手のアイスの傾きを直し、一旦ホッとする。

 そして視線を依澄くんに戻した瞬間。

 はた、と異常に近い依澄くんと目があった。

 その距離は、互いの息がかかるほどのそれ。


「……っ」


 透き通る瞳から、目が離せない。

 瞬きもままならない。

 息、できなー……

 
 あむっ。

 依澄くんに鼻を食べられた。


「!?」

「甘いね。先輩」

 
 依澄くんはいたずらに舌を出した。


「っ~~~!!」



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